個別指導研究会発足3年を振り返っての緊急レポート


 今、多くの個別指導塾が窮地に立たされている。転換点はリーマンショックだ。「失われた20年」と言われる長期不況からようやく抜け出せるかと思った刹那、日本経済を超ド級の不況が襲った。

それまで「教育産業は産業界の川下に位置し、最も好不況の影響が少ない」と言われていたものだが、リーマンショック以降は教育業界も好不況の波をもろに被るようになった。一般消費者が蓄積していた「費用対効果思考」が、教育業界にも広がってきたのである。
それまで塾業界における個別指導塾の優位性は、「ひとりひとりを面倒みよく教えてくれる」という点にあった。その優位性を生かして、個別指導塾は業界全体の4割を占めるまでに成長した。


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ところが、これだけ個別指導塾が増えると、「面倒見の良さ」が差別化の力を失っていく。

そこにリーマンショックと費用対効果思考の到来である。

保護者は考える。
「この塾は本当に月額3万円を払う価値があるのだろうか」。

一般的個別指導塾(FCを含む)は、1コマ80分を週2回(中学生の多くは英語と数学)で3万円超の授業料設定をしている。

家庭にとっては大きな出費である。
それでも生徒の成績が上がればいいのだが、受講科目以外は成績が上がらない。

高校受験を考えたとき、英語と数学だけの成績で評価されることはない。

入試は5科目であり、傾斜配点もない。

かと言って、5科目を個別指導してもらう経済的ゆとりもない。

と、なれば、もっと安価な授業料で5科目を指導してくれる集団指導塾に回帰する行動に出るのも頷ける。


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ましてや、受講している英語や数学に顕著な通塾効果が見られないのであれば、なおさらである。

結果、成果を出せない個別指導塾が市場から見捨てられつつある。

そうした中、突破口を見出そうと奮闘している個別指導塾もある。

例えば理科と社会の映像教材を導入し、「英語と数学は個別指導でじっくりと、理科と社会は映像学習で自立学習を、国語はテスト前の集中学習で対応する」というパターンだ。

あるいは1コマの指導時間数を50分に削減し、「1日2コマ、週2回で4科目指導を実現する」というパターンもある。

どちらも、「他塾2科目分の授業料で5科目指導」を売りにして、地域の厚い支持を得ている。

あるいは、完全自立学習指導に突破口を見出した塾もある。

ある塾は自塾を勉強道場と称し、徹底した自立学習(映像は使わず、イメージとしては梁山泊)の場を提供することで、17名まで減少した塾を中高生を中心に50名以上まで回復させた。

ある塾は学校ワークの指導を前面に出し、自宅の教室で80名超の生徒を獲得している。


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またある塾は、授業以外にイベントを盛りだくさんに開催し、生徒の「居場所」を作ることで塾生数を倍増することに成功した。


それぞれ手法は違っても、自塾の(経営者の)キャラクターに合わせた戦略によって成果を挙げている。

いずれも、「講師:生徒=1:2で面倒見良く…」からの脱皮を図っていることが共通している。

現状に甘んじることなく、様々な工夫や実践を重ねている塾だけが、かろうじて生き残っていけるというのが現実である。


ところが、そうしたアイディアや工夫も、FC本部の指導を受けているだけでは、あるいは一人で教室に閉じ籠って考えているだけでは思い付かない。

他塾の成功例、失敗例を情報として入手し、学び、自塾に合わせて改変し、実行し、失敗し…そうした不断の実践の中から生まれるものである。

私が理事を務める「個別指導研究会」は、そうした学びのプラットフォームとして設立された。

前述した成功例も勉強会等の場で報告され、会員が学び、真似、改革する中で作られている。


塾経営者にとって学ぶことは、自塾を存続させ発展させるために不可欠の行為である。

個別指導研究会の日ごろの活動を皆さんに知っていただくために、プロモーションビデオを作成しました。



例えば1つ、個別指導塾にとって不可欠の「面談の方法」について考えよう。
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個別指導塾にとって個別面談は重要なイベントである。

ところが、多くの塾が面談の位置付けを間違っているため、「間違った面談」をしていることに気付いていない。

その典型例は、面談をインフォメーション&セールスの場と位置付けている塾だ。

わざわざ保護者に来塾してもらい、貴重な時間を使っているのに、当たり障りのない授業報告と、新年度の時間割設定&春期講習の説明に終始してしまう。

保護者は帰り道、「何のために時間を割いて塾に足を運んだのか」と不満を抱える…これではダメである。

あるいは、意識してか無意識化は別にして、面談が指導者のストレス解消の場になっている塾もある。

「A君は遅刻や欠席も多く、宿題もまともにやってきません。これでは成績が上がらないのは当然です。

もっとヤル気を出して勉強に取り組まないと」と、生徒の非を並べ立て、挙句の果てには「家庭の勉強について、お母さんも注意してあげてください」と丸投げする。

保護者は、それが出来ないから高い授業料を払ってプロである塾を利用しているのである。

正論は人を傷つける!

前述の「欠席・遅刻が多く、宿題もやらないから成績が上がらない」は正論である。

しかし、正論であるがゆえに生徒も保護者も反論が出来ず、傷付いて帰っていく。


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脳裏には「退塾」の二文字が浮かんでいるかもしれない。これでは家庭にとっても塾にとってもマイナスである。

塾経営というビジネスを営む者にとって、絶対に避けるべき状態だ。

面談は、塾の評判を上げるための「場」である!

そう位置付けた瞬間、面談でやるべきことが見えてくる。

生徒が、保護者が聞きたいことは何か。

それを考えることだ。

模試や定期試験の結果を前に、「成績が下がったね。これだと志望校を替えなければならないよ」…そんなことは聞きたくない。

言われなくても帳票を見れば分かる。まさに正論は人を傷付けるのだ。では、彼らは何を聞きたいのか。

これは個別指導塾に限らずであるが、生徒も保護者も希望を見たいのだ。

そして、その希望に対して塾が、教師が、最後まで諦めない姿勢を見たいのだ。もっと言えば、「この塾(教師)は本気で自分の(我が子の)ことを考えてくれている」という確信を持ちたいのだ。

ならば、塾が話すべきことは自ずと分かるはずだ。

「志望校に合格するための道」を示し、一緒にその道を歩む覚悟を話すことだ。


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その道を行くか行かないかは生徒が決める。

しかし、生徒が歩む努力を失わない限り、塾は諦めずに、見捨てずに指導を続けることを示すのだ。

保護者と生徒が帰り道、「もう少しこの塾で頑張ろう」と話し合うような面談をしなければならない。

すると、「あの塾は熱心だよ」「あの先生は真剣に考えてくれるよ」という評判が生まれる。

「成績が落ちたから志望校を替えろ」と安易に言う塾、「成績が悪いのは生徒に原因がある」と言い放つ塾に、そんな評判は作れない。

ところが一人で塾経営を長く続けていると、いつしか無意識のうちに惰性に陥り、インフォメーション&セールスの面談をしていても、生徒や保護者を傷付ける面談をしていても気付かない。

思いとは真逆の面談に気付かない。


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個別指導研究会は、そうした我が身を振り返り、気付きを与えてくれるプラットフォームである。

面談だけでなく、電話対応、生徒や保護者とのコミュニケーション、もちろん前述したカリキュラム等々、様々な経営要素についての情報提供や勉強会、交流を図る場を提供している。

今回、私と森顧問の1年間を総括した対談CDと、私が個別指導研究会理事としてまとめた現場レポートを無料で提供する。

現場レポートは「個別指導塾にとって、学校ワークの徹底管理が成功の鍵」についてまとめましたのでぜひ参考にしてほしい。


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特に、対談CDの中では中3生を高校部に継続させる秘訣の一端が披露されていて興味深い。

必ずやオーナー皆様方の気づきになると信じる。


今回、個別指導研究会発足3周年を記念して、塾経営に際し確実な気付きが得られると、確信する無料プレゼントを用意しました。

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