2014/11/30 成功塾最強コラムレポート[2]

 個別指導塾に対するニーズ(見方)が近年、大きく変わってきました。もとも
と個別指導を希望する生徒(顧客)のニーズは、「学校授業で分からないところ
を丁寧に教えてもらいたい」というものでした。いわゆる補習を希望していたの
です。塾側も、それに応える指導体制を確立することに苦心を重ねました。その
結果、講師:生徒=1:2というスタンダードな指導体制が確立しています。分
からないところだけをマン・ツー・マンで教えるわけですから、集団指導に見ら
れる無理と無駄がないというのが個別指導塾の「売り」だったのです。このシス
テムは塾にとっても有難いものでした。学校授業で分からないところを教えれば
いいのですから、現場の講師は素人の大学生でも充分です。生徒のモチベーショ
ンを上げるコミュニケーション能力も、先を見据えた展開力も必要ありません。
パフォーマンス力がなくても、ただ問題を解説する学力さえあれば通用したので
す。

 ところが近年、パレートの法則社会(私が言う2:8の法則社会)が進むにつ
れ、社会(家庭)のニーズが変化しています。「たとえ丁寧に面倒見良く教えて
もらったとしても、成績が上がらないのでは意味がない」という、言ってみれば
当たり前の思考に社会は気付きます。結果、個別指導だとしても成績の上がらな
い塾は支持されないという現象が生まれています。ここへの対応が遅れた個別指
導塾は軒並み苦戦を強いられています。

 今、支持を集めている個別指導塾の特徴は、個別指導にも関わらず予習指導を
していることです。以前とは発想が180度違います。

 まず、個別指導塾を希望する生徒は、成績中下位層が多いという現実がありま
す。モチベーション(学習意欲)も高くありません。彼らの悩みは、テストの点
数が取れない云々の前に、学校授業に不安を持っていることです。分からない授
業を50分間、受け続けるのは苦痛です。また、当てられたらどうしようという心
配も付きものです。だれもがクラス全員の前で恥をかくのは避けたい。子どもだっ
て、いえ、子どもの方が大人以上にプライドを持っているのです。

 塾で予習をすることによって、生徒は学校授業に対する不安を払しょくできま
す。当然、授業に対する集中力や積極性も増します。そのことで学習意欲を向上
させるという好循環を作り出しているのです。

 また、予習指導をすることで、定期テスト前には復習(テスト対策)をする十
分な時間が確保できます。結果、成績向上にも寄与することになります。

 もちろん、現場は大変です。それまで、ただ生徒の分からないところを教えて
いれば良かったのですが、予習指導となれば生徒にとって「全てが分からないと
ころ」です。当然、学習内容の組み立て、ペース、サイクル等々も考えなければ
なりません。しかし、そうした苦労を厭わない個別指導塾でなければ支持されな
いという現実があるわけです。

 今後、個別指導塾は「個別指導」というだけでは差別化が図れない時代に突入
します。個別指導塾の中で淘汰されるのです。勝ち残りをかけた個別指導塾同士
の戦いに是非、勝ち残ってください。